笹田かなえ句集『お味はいかが?』

笹田かなえ句集『お味はいかが?』が届きました。
いかが? と訊かれて答えないわけにはいかないので、
さっそくお味見させていただいたのでした。
チェックした句はもっといっぱいあるのですが、とりあえず10句挙げます。

不器用でのん気できれい薬指

のみこんでしまえば青くなる夜景

小石でも踏んだみたいな空の青

ものすごい緑のままで枯れていく

飛べるかもしれない秋の扇風機

適当にって言われた雨の匂いがした

どこからか螺子を巻く音屋敷町

正体をあらわすときの水の音

ここからは摺師の仕事青葉闇

ほとんどが降りてしまった汽車に乗る


第一句集のタイトルは『水になる』でした。
あれから20年。
上の10句はちがいますが、やっぱりかなえさんは総体的に水っぽい(笑)
でもいくら水っぽくても情念系にいかないで踏みとどまることができるのは、
底流に清潔感があるからではないかと思うのです。
あと、突き詰めすぎない、あっけらかんとしたテキトーなとことか。
ともだち目線でいえば、天然なんじゃないかと思います。
いままで面と向かって言ったことはありませんが。

笹田かなえの人的魅力は、たとえばこんな句にあって

ともだちのともだちが東電にいる

正義だとか、悪だとか、この世界は二元論ではけして語れない事象で溢れています。
だからわたしは一見正しそうな、通り一遍の(ようにみえる)批判は信じませんし、評価しません。
掲句のように右往左往している作品こそ、評価に値するのではないかと思うのです。

青森からの帰り、八戸で新幹線を降りると彼女は発車するまでホームから動かず、
ずっとにこにこしながら手を振り続けるのです。
いつも。
もうだれも残っていないホームの端っこで。
大きな荷物かかえたままで。
もういいよ、はやく行って。
とジェスチャーで(なにせ窓越しなので)伝えても、ずっといる。

たぶん、わたしが視界から消えるまで。
なんか、じーんときちゃうんですよ、それを思い出すたびに。


# by nakahara-r | 2015-03-17 22:06 | 川柳

朝日カルチャー 川柳教室

更新できない日が続いています。
もうすこししたら、いただきものなど、順次UPしていくつもりです。

きょうはねじまき句会でした。
出席者13名、投句者15名。
すこしづつですが、合評の内容は濃くなっているように思います。
全員で成長していけたらいいな、と優等生発言してみました。

お知らせが一件。

4月から名古屋の朝日カルチャーセンターで講師をすることになりました。
「やさしい川柳」初心者、中級者(という言い方でいいのかしらん)向けの川柳教室です。
いちおう講師って肩書きなんですが、指導などできるキャラではないので、
やっぱりここでも、あと半歩だけ高みを目指そうよ、
みたいな場になればいいなと思います。
句会とはまた違った方法でアプローチしてゆきたいと思っています。


ご参加お待ちしています。
日程や受講料など、詳細は朝日カルチャーまで。




おまけ。
飯食うねこ。
ちょっと太りましたね、まりんさん。

d0162614_22365516.jpg
d0162614_22363912.jpg


# by nakahara-r | 2015-03-15 22:37 | 川柳

『鹿首』Vol.7 ははとははのはは20句 2015.3

ひっぱればほどけるははとははのはは

ほがらかにちちと発音する氷

おとうとは結露するため立ち上がる

いもうとのため息パプアニューギニア

鳥がいる家族写真の背景に

ローソンの青に次々ゴールする

靴下を裏返すたび蜃気楼

お別れの儀式のように干すシーツ

胸中のほていあおいをどうしましょ

ワイパーの稼働領域内家族

家中のほこりがみんなもらい泣き

母の櫛父の時計に変わる猫

箪笥からいつもはみ出す伯母の足

母笑う鳩や汽笛をこぼしつつ

発熱の前夜みたいなおじいちゃん

玄関に寄せては返す歯形かな

ご家庭のどこにでもある活断層

あいさつか冬の花火かわからない

冒頭が鶏頭だからやりなおし

まぼろしの家族のための夜を縫う

# by nakahara-r | 2015-03-02 12:56 | 川柳作品

びわこ、おかじょうき

うかうかしているうちに3月になってしまいました。
いただいていた本たちから。

「びわこ」2015,02より

ええ話ないのか数の子をつまむ 畑山美幸
お正月の一場面でしょうか。
方言であることが臨場感をあたえているのではないでしょうか。
言ってるひとと聞いてるひと、そしてその周りの人々。
人物の輪郭がぼんやりと浮かびます。

多すぎたお釣りのように抱かれる 北村幸子
「多すぎたお釣り」って絶妙な形容ですよね。
抱いている人と抱かれている人の間には歴然とした温度差があって、
もそれは抱かれている人だけが認識している。
多すぎたお釣りを返すのは、手放しでは浸りきれないほう。

取り出したとたんに甘くなる昔 久保田紺
共感度のたかい句だと思います。
記憶って取り出すたびに少しずつ脳内で上書きされていくんですよね。
それも「そうであればよかった」的な方向に。
取り出された「とたんに」甘くなることが決定しているんです。

開脚のままで失礼いたします 峯裕見子
状況を想像するとおかしい。
「失礼いたします」と言えるくらいの時間的余裕と礼儀があれば、
まず足を閉じましょうよ、と言いたい。
なのに「ままで」なんである。身体ってときに気持ちをうらぎりますよね。

部屋になるまでの私を待っている 徳永政二
「部屋になる」私、「待っている」私。
ここにいる二人の私は身体と意識なんじゃないかと思います。
「部屋になるまで」をどう解釈するのかは読者しだい。
わたしは眠りにつくまでのうとうとするあいだの、
いま自分の足や腕がどんなかたちで何に触れててどこにあるのかわからないような、
あの、周りに同化してゆくような不思議な体感を思い出しました。

「おかじょうき」2月号より

そっと置くいずみたくとはつい知らず 田久保亜蘭
いずみたく!!
もう何十年も口にしたり耳にしたりすることがなかった固有名詞を
こんな形で提示されて、それだけで圧倒されました。
いずみたく、いず、みたく、い、ずみたく、いずみた、く……。←こわれた

そっと背中を押してあげます(崖) 松木秀
ブラックです。
(崖)はBY崖 という意味ですから、
もう、真っ黒です、崖。
でもすき。
いいひとばっかりの川柳だったらおもしろくないでしょう?

セーターを羽織ると沼が寄ってくる 小野五郎
カーディガンじゃないですよね。セーターですよね。と確認したくなります。
セーターを羽織るとは、もしかしたらあの、
両袖を首の下のほうで結ぶギョーカイ巻きでしょうか。
トレンディドラマの石田純一みたいな。
いや、そりゃー確かに沼しか寄ってこないわ、と思った次第。

母さんが初期化している雪野原 守田啓子
「母さん」と「雪野原」は情緒的とてもよく似合うと思います。
「初期化」と「雪野原」も意味的にとてもよく似合うと思います。
ところが、「母さんが初期化」で、情緒も意味も霧散してしまう。
そこにふわりと別の世界がたちあがるような、おもしろさがあります。

ルール上タスマニアデビルは通名で 月波与生
なんのルールなんだか。
でも、タスマニアという地名で、住居を特定されるかもしれず、
デビルという呼称から、あらぬ嫌疑をかけられないとも限らない。
通名はいたしかたないところかもしれません。
固有名詞のおもしろさをだれか徹底的に追及してくれないものかしら。

書置きにこすれと書いてある真昼 柳本々々
書置きですよ。
ただのメモじゃなくて。
「こすれ」って、どこを? なにを? なんで? と???でいっぱい。
重大なことが起こってるはずなのに、ぜんぜん重大そうにみえないところが怖い。
夜でも朝でもなく、真昼であるところが逆に怖い。
むかし、オウム真理教がテレビに出まくっていたとき、
へんなかぶりものをかぶって、へんな歌とへんなおどりで選挙運動してて、
あれがわたしめちゃくちゃ怖かったのを思い出しました。
一見、なんの危険もないようなものが一変するほど怖いものはないですよね。

というわけで、
遅くなった2月号からでした。

# by nakahara-r | 2015-02-23 00:02 | 川柳

ドアがある骨にも岬にも

「テーマなんてない」10句を掲載していただきました。
作品くださいって言われていちばん困るのはいつもテーマ(というか題)だったりします。
来し方を思うと、一貫したテーマで書いたことって「WE ARE!」の9.11の作品群だけだったような気がします。
結社に所属していたときも、だらだら書いた句を数だけそろえて提出してました。
で、思い起こすのは無謀にも短歌の新人賞に応募したときのこと。
30首をまとめたわけですが、そのときの選考委員であったO氏にのちのち「フレームが弱いんだよねー」と言われました。
縦のちから(上から下に読み下したときの一首のちから)と横のちから(一首から次の一首に読み手を誘うちから)。
どちらの強度もたいせつ、と。
とても納得のできるアドバイスだったのでいまでも鮮明に覚えているわけですが、
川柳の場合っていうか、わたしの川柳の場合と言い直してもいいですが、発語する本体ってのが無数にいまして。
誰?から何?まで。
なんかこんなふうに書くと、上のほうから言葉が降りてくる的な誤解をうけるような気もしますが、
けして自動書記みたいな話ではなく、立ち位置がいつも揺らいだところからしか発語できないと言ったほうが近いかなと思います。

あれ?
なんの話だっけ?

ああ、そうそう。
だから「テーマなんてない」というふざけた題の言訳だったわけです。
ながっ。


いただいていた本たち。


「杜人」244号より

好き好き好きあなたへ送るずんだ餅 宮本めぐみ
「好き」とか素直に言えないわたしには驚きの一句です。
まあ、こんだけ言ってるわけだけど、「ずんだ餅」なんですね。
形状とか色とか、おまけに音とか、ぜんぜんロマンが感じられなくて、
いいのか、ずんだ餅で、とひとこと言ってあげたくなります。
しかも「送る」んですよ。
想像してみてください。「好きです」と書かれたカードといっしょに宅配でとどくずんだ餅。
こ、こわい。

岬から少し離れて無印良品 加藤久子
「杜人」は宮城県にあります。岬とあれば3.11と切り離して読むのがむつかしい。
だから「離れて」無印良品に囲まれて暮らしているという句なのかもしれません。
でも、初読にかんじたのは清潔感と風通しの良さでした。
岬には灯台があって、そこは広い外海につながる内陸の先端であるところ。
離れてはいるけれど少しであるところが、みさきという語感とともに明るいかんじをもたらしているんじゃないかと思います。

ずっとずっと歌ってきたの骨の口
おしゃべりを聞いているのよ骨の耳 広瀬ちえみ
口の骨、耳の骨ではなく「骨の口」であり「骨の耳」。
広瀬さんはまず「これは骨である」と認識したのだと思います。
で、じっと骨を見る。ああ、これは口の部分、耳の部分と部位の認識が一歩遅れてやってくる。
これは認識の発掘作業なのではないかと思ったのでした。

そういえばたしか目蓋はあったはず 須川柊子
あるんですよ、目蓋。だから見なくてもいいものにはちゃんと蓋ができるはずなんですけど。
蓋とじるのを忘れるんですよね、ひとって。

ゆだんしていたらどこでもドアが開く 佐藤みさ子
「どこでも/ドアが開く」なのか「どこでもドア/が開く」なのか。
どちらで読んでもおもしろいなあと思いました。


本日ここまで。

# by nakahara-r | 2015-02-23 00:01 | 川柳

臍の奥だよ

ねじまきの日でした。
結果は追って月刊★ねじまきにUPされます。
今月の出席者は14名。


柳本々々さんがWEBマガジンアパートメントに「夢八夜」という掌編を連載されています。
「第一夜 マヨネーズの床」 は荻原裕幸さんの俳句が、
第二夜はなかはらの川柳がモチーフになっています。
弘前で朗読させていただいたのは、この「第二夜 みどりのひと」の改稿前の文章。改稿前のも大好きでしたが、こうして読んでみると確実に完成度あがってて、改めてすごいなあと。

「わかる」ということはほんとうにたいへんなことだと思います。
引き受けるのをとまどうくらいに。

柳本さんご自身のブログに「お知らせ」として説明文がありますが、
大大大好きな歌人、笹井宏之さんの短歌と似てると書いていただいていて、がさつなわたしがあんなに繊細な笹井さんと並べて語られるなんて想像もしてなくて、全国の笹井ファンの皆さまにごめんなさいと思いつつ、
同時にめちゃくちゃうれしかったことを告白します。
柳本さん、ありがとうございました。


なんか、言いたいことはいっぱいあるのですが、チョーうれしいので、
今夜はるんるん寝ます。


やっと更新したの自分のことばっかで、なんかすみません。



# by nakahara-r | 2015-02-15 23:55 | 川柳

週刊俳句 2015-02-22 「テーマなんてない」10句

約束を匂いにすればヒヤシンス

どこまでも続く線路とキャベツを刻む

緑と白の境が葱のなきどころ

うがいするまだらな音を出しながら

水滴がさんずいへんで飛んでくる

おふとんも雲南省も二つ折り

パレードはいま食道を通過する

踵から頭のてっぺんまでギニア

F2を押すと液晶身もだえす

こいびととつくる夜の中の夜

# by nakahara-r | 2015-02-02 22:48 | 川柳作品

撫でられてタルタルソースになりました

タイトルは弘前の大会「撫でる」の入選句。

新春大会から2週間、ぼーっとした日々が続いておりました。
いや、年末に買い替えたばかりの新しいパソコンが急に起動しなくなったり、
父が転んだり、母が倒れたり、職場の新システムの使えなさのせいで残業が増えたり、
まあ、いろいろあったりはしましたが、いずれも大事には至らず……一月も終わります。
(この……の部分にある省略が川柳的飛躍というやつですね)


そういうわけで、ものすごく遅くなってしまいましたが、
「おかじょうき」1月号から

ゆうふれんしばらくべんとうはびすこ  月並与生
さいきん、ローソンで売ってるビスコのブルーベリー味というものにハマってます。
いや、それはおいといて。
よろめいている奥様にお弁当を作ってもらえず、ビスコ食べてます的な、
もうほとんど絶望的につまんない解釈をしてしまったわけですが。
「有夫恋」を知らないひとには謎という魅力が付加されるわけで。
知っている読者にはマイナスに作用するかもしれず、
知らない読者にはプラスに作用するかもしれない。
こんな両刃の剣をあえて(と思います)使われたところに注目しました。
いずれにしても「しばらくべんとうはびすこ」はこころ惹かれるフレーズです。

二等辺三角形のプリン体  土田雅子
プリン体って旨み成分のことらしいですが、顕微鏡でみると二等辺三角形なんでしょうか。
いや、それはない、ない。(と思う)
二等辺三角形というかたちを提示されたとたんに、プリン体ではなく、プリンを(あれは台形だけど)想像してしまう、というところにこの句の面白さがあるように思います。
それはランゲルハンス島と聞くと、南の島を想像してしまうのと同じですね。

カルピスの中のスピカのきらきらよ 松木秀
一読、アナグラムだよねと思い、アナグラムだとしたら余った「ル」はどこに行ったのかと思う。
カルピスといえばあの白地に青い小さな水玉です。
で、あの水玉のひとつにもしかしたらスピカが混じっているのかもしれない。
ルも散らばっているのかもしれない。ルルルルルってかんじできらきらと。
だってスピカって乙女だし。

あと二つアウトをとって店仕舞 三上玉夫
おもしろいです。
この「店仕舞」は、今日の、だと思います。だって早く閉めて帰りたい感がにじみ出てるから。
アウトが何を表すのかはおいといて、まだ1アウトなんですよね、実は。
「あと、ふたつ! あと、ふたつ!」とこころの中でシュプレヒコールしてるんでしょうね。
でも、そう唱和したとたんに敵チームにヒットが出るとか、ありがち。
そんなことまで想像させてくれる句はすてき。

ヒビ割れの三角定規 喪が明ける 守田啓子
モノを見つめているうちにふっと、スナップ写真のように過去の一場面が浮かぶことがあります。
で、見つめる対象として何を提示すれば、過去の一場面がより鮮明に読者に伝わるか、が勝負となる。
透明なプラスチックを白っぽく濁らせるヒビと、一見、とてもつながりそうにない喪明けの感覚を、映像の鮮明さでつなぐことに成功しているのではないかと思うのです。

北斎が空を泳いでいる しかし  むさし
これは楽しい絵。
北斎というと怪物的というか妖怪的なイメージがあって、空を泳ぐのも不思議ではないように思えます。
で、問題は「しかし」。
この「しかし」さっぱりわかりません。
でも、しかし、と言われたら、その先を考えてしまうのが読者のサガ。
なんか、そのサガをうまく逆手にとられてるような気がしないでもありませんが。
やっぱ、してやられてるのかな(笑)

真夜中に貰ってしまう正方形 柳本々々
正方形なんかもらっちゃうとちょっと困るっていうか、持て余すんですけど、
しかも真夜中に。
真夜中に貰うのなら、かくかくしてなくて、しかも正しくない、多少ゆがんだりしてるもののほうがありがたいような気がします。たとえば楕円形とか。
だから、「しまう」なんですね。お困りのご様子、よおくわかります。


柳本々々さんのブログ「あとがき全集。」で、東海柳壇をとりあげていただいています。


「次元の脱衣場としての東海柳壇」
かっこえー。
作品以外にも東海柳壇という「場」のはたらきについて言及していただいいて、とてもうれしかったです。
ありがとうございました。

柳本さんから真夜中にきらきらのスピカをいただきました。
そんな一月末日。


DかQ どこでもドアは一度きり 柳本々々




# by nakahara-r | 2015-01-31 23:20 | 川柳

弘前に雪と天使が降りつもる

さっき書いた長い長い文章が四次元のかなたに消えました。
こういうとき、やたらへこみますが、
よおし、わかった。
そっちが(どっちだよ)そのつもりなら、もっと長いの書いてやる。
と思ってしまうのは、ただの負けず嫌いだから。
出かける前日に締切、帰ってきた翌々日に締切というハードな日々です。
わーい。←こわれた

と、前ふりはここまで。
行ってきました、弘前。
大雪でした(地元のひとびとは「こんなもんじゃない」とゆってましたが)

出かける前に、各方面から、
ひとりで電車乗れるのか、とか、
乗り換えのホームを間違わないか、とか、
切符なくさないか、とか、
あげくは転ばないかとかまで、いろいろご心配をおかけしましたが、
ちゃんと行って帰ってきましたよ。
わたしがほんき出せばこんなもんよ、
と鼻の穴を大きく膨らませている昨日、今日です。

八戸で「はやぶさ」に笹田かなえさんが乗ってくれました。
新青森で守田啓子さんと合流。
一路、弘前へ。
弘前はすごい雪。

だいたい、電車のドアも窓も凍っていて、
窓の外には林檎売り♪と歌いたくなるくらい氷の世界でした(古っ)。
ドア開くとき、ぱりぱりって氷をはがすような音がするし。
白くけむった窓に灰色の煙が下から吹き上がっていて、
あれはなに? と訊いたら 雪、なんですと。
雪を蹴立ててっていうのはこういうことなんだと思いました。
おー、まいにち、ふぶきふぶきこおりのせかいー♪

弘前に着いて雪の中をホテルまで歩きました。
歩道に山のように雪が積まれているのでやむなく車道を歩きます。
雪中行軍かよ、的な。

大人の背より高く雪が積まれているので、
わたしはてっきりその下に植栽があるのかとおもったら、
下にはなんもないの、まるごと雪、と笑われました。

ホテルの窓から見た景色。
白っぽいのは吹雪いているから。
パウダースノーですよー。さらっさらの。
コンテナの中身は林檎だろうかとか、思ったり。

d0162614_23445775.jpg

ピクトさんのいない非常口。
d0162614_23451485.jpg

ね。
すごいでしょ。
車道も白いんだけど、石膏みたいに固まってて、
町全体がスキー場みたい。
でもふつーに車は走ってる。
タクシーの運転手さんが鋭角をまがっても滑らないことにかんどー。
d0162614_23445347.jpg

モデルはかなえさん。(両手がかわゆし)
青森のことばはまだしも、
弘前のことば(しかも早口)は日本語とは思えなくて、
なにゆってるのか、まったくわからない。
フランス語かよ、と思いました。
かなえさんの同時通訳でやっと会話が成立する。
d0162614_2345418.jpg

翌日は大会当日。
盛会でした。
仰せつかった講演については割愛。
川柳は作品の質では他ジャンルに引けを取らないのに、
自己プロデュース能力は著しく欠ける。
もっとできることがあるのではないか、と思いつつ、朗読をしました。

川柳の大会における作品との出会いは、耳です。
目から入るテキストが存在しない。
耳で聴いて、一瞬でわかる。
結果、笑ったり、唸ったり、共感したり、驚愕したりする。

朗読のテキストはわたしの川柳をもとにした、
柳本々々さんの詩のような文章。
近々Webのどこかで発表されるはずのもの。
発表前であるにもかかわらず、
快く了承してくださった柳本さんに深く感謝いたします。

もうひとつ、
朗読のパートを笹田かなえさんにご協力いただきました。
舞台経験者だけにさすがに発声のしかたが違う。
ひとりで読むより深みが出たように思います。感謝。

あの場で朗読が受け入れられたのかどうかはわかりません。
単純に楽しんでいただけてたらうれしいですが、
反発や違和を感じられたのなら、それも望むところです。
無関心よりよほど。

ともあれ、毎月、毎年、同じような顔ぶれが集まり、
同じような作品が生まれ、同じようなひとが賞をとる。
どこの川柳大会もさほど変わりません。

変わらないことがいいと思う人がいて、
変わらないことに飽きている人がいて、
川柳への関わり方もさまざまではあるけれど。
波紋はときどきでも起きるべきだと思います。


大会が終わって「おかじょうき」の新年会に参加させてもらう。
で、でた!!
当然のようにお皿に乗る句箋。
おかじょうき名物の3分吟です。

選者に指名された2人が題を出す。
「夕」と「黒」それぞれ3句出し。
はい。の合図で3分。合計6句つくる。
もうね、考えてる時間なんかない。
ともかく句箋になにか字を書く。
書きながら考える。鉛筆が動く同じ速度で考える。

さすがにおかじょうきの人々は強い。
ばんばん入選しておりました。

わたしの句は
夕方を組み立てている鳥である
(でした? うろおぼえ)
黒鍵か潜水艦かわからない
(字画が多くて時間をとられる しまった!!と思うが遅い)

二句だけしか覚えていないです(笑)

d0162614_2345527.jpg

帰宅して、まりんと遊ぶ。
かなえさんのおじょうさんから、まりんへのプレゼント。
またたびボールです。
ものすごく気に入ったみたいで、
あそんでいるのか、ボールに遊ばれているのか。
動きが早すぎてピントがあいません。


d0162614_23453146.jpg

d0162614_23454056.jpg

ついに、こんなことに。
あ、やーん。
どっちがボールなんだか。
d0162614_23424572.jpg

今日はここまで。
それでは原稿に戻ります。
しくしくしく。

# by nakahara-r | 2015-01-20 23:42 | 川柳

お知らせ

なかなかブログモードになれない日々が続いています。
おかじょうきの「杉野十佐一賞」とか、
いただいている川柳誌とか、
書きたいことはいっぱいあるのですが、ぼちぼち行きますね。

まずは、お知らせです。


第79回新春川柳大会(詳細はこちら


◎日 時   平成27年1月18日(日)
       受付開始 午前9時~
       席題発表 午前10時
◎会 場   弘前プリンスホテル
      (〒036-8002 弘前市駅前1-3-4 弘前駅より徒歩3分)
◎会 費  4、000円


◎講 演  なかはられいこ「川柳の生まれるところ -読者を探せ」

◇宿 題(5題、2人共選。各題2句吟)
 ・「ダメダメ」  北山まみどり、(?)共選
 ・「撫でる」   笹田かなえ、長谷川酔月 共選
 ・「缶」     工藤青夏、渡辺松風 共選
 ・「羊」     佐藤古拙、佐々木文子 共選
 ・自由吟     なかはられいこ 単独選

◇席 題(2題、2人共選。各題2句吟)
 野沢省悟、佐々木 共選
 むさし、沢田百合子 共選

◇我洲杯(1題、5人共選。1句吟)
 ・「匙」     斉藤綺羅、工藤まさひろ、まきこ、野口一滴、大石一粋

【問い合わせ】弘前川柳社・千島鉄男(電話0172-34-3392)

講演と言われていまさらながらびびってる、なかはらです。

いや、タイトルは勢いでつけただけなので。



旧年中にいただいていたのに、もんのすごく遅くなってしまいました。

上井とまとさんの「やねうら」最終回です。

とまとさん、最後までありがとうございました。






# by nakahara-r | 2015-01-13 21:02 | 川柳