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空に満月くちびるにウエハース

タイトルはねじまき9月句会の雑詠です。

柳本々々さんのブログ「あとがき全集。」の記事

あとがきからダイナミックな音信がある(ゆでる)。

で、『散華詩集』の拙句をとりあげていただきました。
いつもありがとうございます。
柳本さんが国会図書館にまで行ってくださっていたことに感動するやら恐縮するやら、なんだか申し訳ない気持ちになりました。

ずっと以前、阿部青鞋の句集が読みたくて読みたくて、ネットのあっちこっちでブツブツつぶやいたところ、正岡豊さんが『火門集』をプレゼントしてくださいました。『火門集』のページを開いたときのドキドキ感はいまでも鮮明に記憶しています。
柳本さんが述べられている「読みたいという一心で、そのプロセスをなんとかどうにかこうにか遂行していくその途上においてめぐりあえた方やことやもの」ですね。

めちゃくちゃ喜んでいると、某藤原龍一郎さんが「本はある日突然、本気で欲しい人のところにやってくる」いや、違うな。「ひとは読むべき時期に読むべき本と必ず出合う、待っていれば」だったかな。どっちにしてもチョーかっこいーことをおっしゃってて、じーんとしたりしたことがありました。

そんな世界のあちこちで繰り広げられる、ささやかな本にまつわるエピソードたちをもすべてひっくるめて、本の歴史というものは形成されていくのかなあとか。
そんなことを思う読書の秋なのでした。

そんなこんなで9月も終わります。
なので、なんでもない写真をUPします。

御岳の噴火で職場はざわざわしています。
飛騨出身者がぽつぽついて、山岳部だったひともぽつぽついて、
知り合いが登ってたけど無事に下山したというひともいて、
たまたま今週末に予定していたひともいて、
なんともいえない空気に満ちています。

それでも、秋です。
空は抜けるように青く、朝晩の空気は涼やかで透明で、
芋や豆や木の実が太り、茸が育つ、秋です。



ご近所の景色。
市内ですが、なにか?

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近づくとこんな。
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でも、いっぽんいっぽんはけっこう可憐。
葉みず花みず。
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こちらはご近所の公園。
枝を広げているのはメタセコイヤの木。
岐阜はなぜかこの木が多い。
クローバーやオオバコが生えてて、寝転がるのにちょうどいい。
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きんもくせいの花のかおりでむんむんしてました。
匂いってなぜあれほど記憶の断片と直結するのか。
と、あるひとに言ったら、匂いより味覚のほうが記憶を刺激すると言う。
どうやら嗅覚派と味覚派があるらしい。

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夏のわすれもの。
露草が群れてました。
お昼ちかくに撮ったのですこしへたりぎみ。
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こちらはじみーな水引。
ゴマ粒みたいなちっちゃな花が紅白なんだよ、紅白。
さすがに運動会シーズンだわ(違っ)
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では、また10月に会いましょう。\(^o^)/

by nakahara-r | 2014-09-30 23:33 | フォト日記

きらきらとねこと夕陽と声である

「おかじょうき」9月号より

いいひとになるアンパンマンの右隣り  須藤しんのすけ
「では、左隣では「いいひと」にはなれないのか?」という読み手側からの疑問をあらかじめ想定した書き方ですね。最近はまっている白川静の『漢字百話』によると、古代の神事において、右という字の口の部分は<のりと>、左という字の工の部分は<呪具>であるとか。そういえば左大臣のほうが位が上なんですよね。で、この「右隣り」アンパンマンから見て、でしょうか? 向かって、でしょうか? など、いろいろ想像して楽しくなった作品でした。なんか、かわいらしいし。(って、さいごはそれかよ)

引き分けを挟んで本日も夏日  月波与生
夏日、夏日、引き分け、夏日、と続く日々。何と何が引き分けたのかわからない、というか、そこ並列にしますか? という意味でおかしい。
もしかして引き分けって「曇り」かな? いや、じゃ夏日は勝ち? 負け?

二の腕に少し残っている鱗  徳田ひろ子
前世は魚だったんですよ、わたし。ほら、ここに証拠が。みたいな句はおなかいっぱいなんですけど。でもね、鰯とか鯵とかの鱗をとっていると、とびますよね、鱗。それが二の腕にくっつくのはありがちなこと。そういった現実路線(?)にひょいと飛び移れるところ、ゆめゆめ路線だけではない、そこがいちばん好きです。

もうそこは水でわたしで注意報  ひとり静
「もうそこは水でわたしで/注意報」と切れていると読みました。水とわたしの境界があやふやになっていて、危ういのです。と、主体が覚醒しているところが好きです。酔っていたらヤなかんじの句になりがちなんですよ、こういうモチーフって。

手紙からダイナミックを取り出して  柳本々々
「ダイナミック」が名詞になってしまいました。しかも「取り出して」からどうしたのかが書かれていません。読み手はしおしおとなった手紙とともに取り残されます。そもそも手紙とは到来物です。かなたから届いたものが届けたかったのは、まさに「ダイナミック」だけだったのかもしれなくて。観客である読み手は「ダイナミック」の移動をただ見ていればいいのかもしれません。

ユニクロへ吹石一恵買いに行く  吉田州花
川柳と固有名詞は相性がいいと思います。まっさきにユニクロのジーンズを履いた吹石一恵を想像しました。この句の「吹石一恵」は「履けば吹石一恵のような足になれるユニクロのジーンズ」が省略されたものではないかと思ったのでした。すごい省略ですが、日常でもこういう言い換えするなあ、というところがいいなと。

山も木も私も空も蛾も海も  むさし
ぜんぜんそんな気はなかったのに、こうしてみると今回は並列がmy favoriteだったみたいです。「山、木、私、空、蛾、海」という語の並びに注目しました。だいたいこういうとき、「私」は最後にくることが多いです。そういう句をわたしは隠れ自己愛、とひそかに呼んでいます。この句のこの位置に「私」が配置されているのは森羅万象に取り囲まれている状況を顕しているのだと思いました。視線が遠くの山から近くの木へ、私へ、もう一度空に、近くを飛ぶ蛾に、蛾を追って海の方角へ動くのがわかります。「蛾」がすごくいいですね。「蝶」や「鳥」だと美しすぎてだいなし。

で、今月のいちおしは、この一句。
きらきらを二分茹でろと指示される 柳本々々
きらきら? 二分? 指示ってだれに?
いろんな?が湧き出てくるのですが、きらきらはきらきらのまま、二分は二分のまま、誰かの意味不明な指示に盲目的に従わねばならない、そんな壁に追い詰められた感が伝わってきます。ところで、きらきらって茹でるとぎらぎらになったりするんですかね。



ずっと以前にこのブログでもご紹介した上井とまとさんが、ラジオの音源をUPしてくださいました。
内容は前に書いたことがあるエピソードなんですが、前振りはだいじですね。
このあと、川柳の話もいっぱいしましたのです。
過去の自分とふたたびまみえることができる、というふしぎ。
自分以外のひとの耳には自分の声がこのように聞こえているのか、というふしぎ。



『やねうら #32』<本から音信がある>
上井とまと×なかはられいこ(川柳作家)







さいごにきょうのまりん。
夕陽なねこ、夕陽にねこ、夕陽のねこ、いや、夕陽とねこ。

秋でんな。
さんま焼け、飼い主。

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by nakahara-r | 2014-09-20 19:22 | 川柳

襖を閉めて

あざみエージェント発行の「あざみ通信」NO.13が届く。

毎回、誌面に載る読み物が楽しい。
でも、おお!と思ったのは、西郷かの女さんの句集『冬の陽炎』から抜粋された、この一句だった。

大叔母が襖を閉めてゆきました 西郷かの女

叔母でも祖母でもなく「大叔母」なんである。
この大叔母、どこへ「ゆきました」のだろう? 「行く」ではなく「ゆく」であるためになんだか現実離れした感じがする。そして二度と帰ってこないような気がする。大島弓子の『ダリアの帯』のお母さまが行った先とか、三島由紀夫の『豊饒の海』に出てくる蓼科の行動のあれこれを思ったりした。

「西郷かの女」という、ちょっと変わった雅号は、初心の頃からあちこちの川柳誌で目にしていた。
30年ほど前の女性の川柳には、時実新子の影響のせいか(どうかはわからないけど)、情念が書かれた句が多かった。西郷かの女もその中の一人だった。お亡くなりになっていたことは知らなかった。

亡弟よ地にも天にも二輪草
ちちははよ冬の蛍が舞って候
ほのぼのと灯る私の現在地

合掌。

あざみエージェントの出版事業を敬愛しつつも、倉本朝世の書く川柳の大ファンであるわたしとしては、じょうじき、書いてくれ、もういちど。と言いたい。

縫い針をかざせば空に通路あり 倉本朝世
手は鳥の夢見てお釣り間違える 同
この世から剥がれた膝がうつくしい 同

これらの句をなんどあたまのなかで反芻したことだろう。
真っ青な雲ひとつない空を見上げたとき、コンビにのレジで、地下鉄の座席で。


田口麦彦さんから『新現代川柳必携』(編者:田口麦彦)が届く。
『現代川柳必携』、『現代女流川柳鑑賞事典』、『現代川柳鑑賞事典』に続いて三省堂から出たシリーズ4冊目のアンソロジーである。
本著には5000句の川柳がテーマ別に収録されている。幅広い視野で編まれているので、川柳の入り口で戸惑っているひとに安心して差し出せる一冊。
ご注文は三省堂 のHPから。



ひさしぶりにきょうのまりん。
おひるねちゅう。

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カメラむけると目あくんですわ、これ。
モデルとしてのプロ意識?


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もっふもふです。
日に日に冬仕様になってまいりました。
我が秋はねこの毛からやってきます。

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by nakahara-r | 2014-09-13 23:35 | 川柳

プロムナード現代短歌

公開講座の告知です。

プロムナード現代短歌2014という公開講座になぜか出ることになりました。
以下、荻原裕幸 @ogiharahiroyuki さんのツイートから

【お知らせ・続き】「プロムナード現代短歌2014」、現在までに確定している情報が記載されたリーフレットのデータが以下にありますのでご利用下さい。電話による申込のご案内等、こちらのリーフレットをご参照下さい。どうぞよろしくお願いします。
短歌の講座ではありますが、他ジャンルを覗いてみるのも一興かと。
もしお時間があれば、ぜひご参加してくださいね。
(定員があるので、できればお早めに)

あと、届いている柳誌とか、東海柳壇とか、書きたいことはたまっているのですが、時間切れというか、電池切れました。
すみやかにダウンします。

では、また後日。

by nakahara-r | 2014-09-12 00:00 | ただの日記