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ねじ、まいてきました

ねじまき句会の日。

暑い。
地下鉄は満員。
 おそるべき君等の乳房夏来る/西東三鬼
という俳句がしぜんに口をついて出てくるような状況である。
岐阜のような地方都市(つか、いなか?)に住んでいると、知らないひととここまで密着する機会はほとんどない。
ああ、わたしはもはや人口10万人程度のところにしか住めないからだになってしまったわ。と思いつつ、
香水の匂いにむせそうになりながら、苦行のような数分をなんとかやりすごし、東別院で降りる。


いつものように句会は進み、
いつもよりすこし早い時間に終わる。

ただいま欠席選句中につき、提出句はのちほど「月刊★ねじまき」のブログにUPします。

早めに終わった句会のあと、いつもの「コメダ」で、とある企画について密談をする。




歌人の荻原裕幸さんから『イリプス』という現代詩の本をいただく。
現代詩オンチのわたしには掲載作品のよさがわからない。
いいなと思うフレーズは随所に散見される。
しかし、一編をとおして最後までなかなかたどりつけず、しばしとほうにくれる。
これは詩人の側のもんだいではなく、単に読者であるわたしのもんだいだ。

きちんと読めたのは荻原さんの川柳50句。すべて「ねじまき句会」の場に提出された作品である。
(荻原さんは「川柳」とはっきり伝えられたらしいが、なぜか「俳句」とカテゴライズされている)
「詩」ということばに出会うたび、尾崎翠の『第七官界彷徨』が脳裏をよぎる。
あれは小説だけど、わたしの中では尾崎翠の小説はすべて詩なのだ。
『こほろぎ嬢』も『地下室アントンの一夜』も。
いや、あれは少女マンガだろうという声もきこえてきそうだが、わたしは大島弓子も萩尾望都も、絵で詩を描いてるのだと勝手に思ってるのである。


 箸置きを一度も見ずに死んでゆく/荻原裕幸
 あれは蛇これはウクレレそれは雲/同
 大根に耐えられなくて雪になる/同
 ひらがなのかみさまといてふたりきり/同
 いちのみや雲を踏んだらえちおぴあ/同
 名鉄のさみしい赤をおもいだす/同
  


いったいぜんたいどこが俳句なんだよ(笑)  
by nakahara-r | 2012-07-15 22:42 | 川柳

なかはらのひとりごと

「おかじょうき」7月号が届く。

先日行われた川柳ステーション2012の掲載号である。
トークセッションのテープ起こしと編集をされたのはどなたであろうか。
ものすごくうまく纏められているのに感嘆する。

今月の「無人駅」
あいかわらず守田啓子さんの作品がいい。
チェックした作品がむさしさんの評と80%くらいかぶっているのがおもしろかった。

 木漏れ日の三角形を信じよう/守田啓子
 すみませんちくわの穴を通ります/守田啓子
 穏やかになるまで海を撫でてやる/守田啓子

 触れられたとたん善玉菌になる/ひとり静
 割り算の余りとしての土石流/前輝 
 君が代の君のところが訳せない/安藤なみ
 竜巻が一匹我が家の空にいる/岩根彰子
 軸足は安全ピンで留めてある/熊谷冬鼓
 トマトが嫌い 潜伏10日目のつぶやき/Sin
 髭剃って春の青さをかき混ぜる/むさし

ああ、そして「臨時連載」と銘打たれた、このブログが……。
ネット上で読まれるのを前提に書いた文章が紙媒体に載ると、その文体の軽さにあらためて驚いてしまう。
「おかじょうき」の読者のみなさんが楽しんでくださればいいのだけど。

というわけで、いささか姑息ではあるが、「当日」の分と「後日」の分を、写真がなくてもわかるように、手を入れた。

親愛なる「おかじょうき」さま。
ここ見ててくださってたら、コピーしなおしてください(汗)。
by nakahara-r | 2012-07-13 21:04 | 川柳

朝日新聞 東海柳壇

三週間に一度のペースで回ってくる新聞川柳。
選と評を担当させていただいてから、はや二年と二ヶ月が過ぎた。

毎回、投句してくださる常連さんもいれば、初めての投句です、と書かれたはがきも届く。
初めて投句してくださる人のなかには、初めて川柳を作りました。という一文もあって、うれしい限りではあるが、緊張もする。
その方にとって、初めての川柳の窓口がわたしであるということに、責任を感じるのだ。
だがしかし、上手いひとはさいしょから上手いので、畢竟、同じ作者を何度も選んでしまうことになる。
結果、泣く泣く掲載をあきらめざるをえない作品もたくさんある。
ほんとうは個々の作者のかたがたに、ここが惜しいということをお伝えしたくは思っても、どうにもできない。
なんだかはがゆいけれど、五度や六度、もしくは十度、掲載されなくても、諦めずに書き続けてほしいと思う。

今回評を書いたのは以下の5句。
いずれも読んで楽しい作品ばかりだ。

 
 ろうそくが一本多い誕生日/小林祥司
 世の中が変わるステテコまで変わる/島谷利行
 背景になりきり座る木のベンチ/丹下純
 カーナビの示す道なき道を行く/大野日出治
 トーストにバター溶け込むほど眠る/川崎敏明
by nakahara-r | 2012-07-05 23:38 | 川柳

川柳カード

『川柳カード』の創刊準備号が届く
発行 樋口由紀子
編集 小池正博

ゆっこ姉さんの巻頭言と、小池さんの編集後記に、すべてが言い尽くされている。
準備号の参加者は実力派ばかりで、それぞれの10句はそうとう読み応えがある。
「バックストローク」で活動していた作家が中心の準備号だが、今後多くのひとが参加するだろう。
読者としては自分の読みのちからを試される作品たちでもある。


 両腕をはずすすと日輪逢いにくる/清水かおり
 古釘を叩き伸ばしており徐脈/平賀胤壽
 梅雨晴や備長炭で焼いた骨/丸山進
 なぜなぜと偏平足を差し出せり/草地豊子
 水苔でくるむひっそり生きる場所/広瀬ちえみ
 案外はぶっきらぼうとつるんでいる/兵頭全郎
 置き場所が間違っているカーニバル/松永千秋
 鳥羽絵へと叔母は出発してしまう/小池正博
 人としてキリンの下を通ります/筒井祥文
 絶景は鬼の出てくるところなり/樋口由紀子


楽しみな新誌の登場である。
by nakahara-r | 2012-07-04 21:14 | 川柳

杜人

「杜人」2012年夏号が届く

大友一星さんと、添田星人さん、二巨星の追悼句会が掲載されている。
できれば参加したかった句会であった。

本誌は会員の雑詠10句も読んで楽しいと思える数少ない(おいおい)川柳誌だが、実はわたしは巻末に掲載されている月例会の句会報をいちばん楽しみにしているのだ。

作者名を隠し、句会に参加している気持ちになって選をする。
鉛筆でチェックした句をみると、毎回、下記の3人のひとたちの句が圧倒的に多いのだ。


 灰になる途中でしたが声を出す/みさ子
 悲しみは計れぬ肉は100グラム/ちえみ
 おそろしいものを握った紙芝居/久子

みさ子さんの「声を出す」、ちえみさんの「肉」、久子さんの「握った」に強く惹かれる。
by nakahara-r | 2012-07-02 21:36 | 川柳