WATER WAXといえばギャッツビーしか思いつかないわたしです。
あざみエージェントさんから出た、野間幸恵さんの句集『WATER WAX』は装丁からして斬新。スケッチブック形式のハンディな作りです。しかも、横書き。読みました。これ、俳句ですよね(だれに訊いてる?)ああ、いかんいかん、こんなことでは俳句が好きになってしまうではないか。柳本々々さんが「あとがき全集。」で取り上げられていたときから、もしかしたらやばいんじゃないかとは思っていたのですが、もう手遅れです。好きです、すごく。あきらかに野間幸恵ファンです。で、好きな句ひいてみますね。
霧ひとつ水ひとつ置く誕生日ニワトリを消していくから月の音山の木も庭の木にも浅瀬かな鳥の字をほどく春は昔から紅茶とは誰もいない庭である八つ橋はまだ億劫を遊んでいるか正倉院ひとさし指を立ててみるふらすこがいまわのきわを滴れりあんなにも竹切る音を昼という祝う日の鰯のするやいなやかな雨の箱には糸巻きを並べよう王という表面張力を歩く
ひいてゆくときりがないのでこのへんでやめますが、「消していくから」とか「昔から」とか「である」のように、それはもう野間さんの世界では自明であるわけですよね。ことばの選びかたやつながりかたに迷いというものが感じられない。そんなゆるぎのなさに惹かれます。ひとは自分にないものに惹かれるのでしょうか。
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すみれの花かと思ったらしじみ蝶だった。うすあおいすみれいろの翅。なんだか、くやしいくらいうらやましい。
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「ハルメク」の見本誌届きました。
きれいな表紙。
内容も充実してて暮らしの多岐にわたる情報満載の雑誌です。
こんなかんじのコーナーです。投句者は川柳知らないひとばかりなのですが、ゆっくり進めていこうかと思います。な、なんか、まりんのページみたくなってます。イラストがそっくりすぎて、やばいです。