感謝まみれと、蟻まみれ

柳本々々さんのブログ「あとがき全集。」で、
ねじまき#2の参加者全員分の鑑賞いただきました。
こころから、ありがとうございました!
ねじまき#1のときもそうでした。まさか#2でも同じことしていただけるとは思ってもいなくて、
ってゆうか、おいそがしいもともっちゃんのお時間をいっぱいいただいてしまって恐縮至極であります。
#2については誌面の考察すらしていただいて、ねじまき制作委員会、みんなで感激しております。
かさねがさねありがとうございました!!

って、書いてたら『脱衣場のアリス』のあとがきまでコレクションに入れていただけたみたいで、
うれしいの何乗なのでしょう。


小池正博句集 『転校生は蟻まみれ』(編集工房ノア)

タイトルがすてき。
装丁もすてき。

で、おそるおそる、しかし、わくわくしながら開くと、
転校生といえば「時をかける少女」であるわたしの、
そんなジュブナイル脳では読み解けない、
知性という糸で織られたタペストリー的作品群が並ぶ。

匈奴、ソグト人、輪王、五秘密、ウパニシャッド、枢機卿、水呑虎、琳派、京劇
歴史から宗教、故事、絵画に至るまで、引用されることばには知の輝きがある。
だから読み手にはある程度のスキルが必要。
知ってたけど。

でも逆にいえば、スキルがあれば扉は苦もなく開き、芳醇な世界を展開してくれるはずなのだ。
だから、ググってみよう、とりあえず。

難易度10から難易度1まで、幅の広い句集である。
引いた10句+1は難易度がひくいほう。

ひたすらに琴の空音の本能寺
右肺にえんどう豆が発芽する
延髄の貧しき日にはエビフライ
ふりかけの半減期なら知っている
猫脚がついているから叩かれる
街の灯にみんな魚になってゆく
佃煮はさようさようと繰り返す
六月は露がハッスルして困る
鳥去って世界はひとつ咳をする
鎌倉にサラダを添えて攻めのぼる
あけがたのあねのでんわにあおいあざ

信長の最期を思うとあたまのなかに鳴り響く琴の音。
こういう演出、だいすきです。
ハッスル(死語だよ)する露や、佃煮のお武家言葉に笑いつつ、
じわじわ疑心暗鬼に陥るのだ。
右肺のえんどう豆はボリスビアンが下敷きなんかなとか、
鎌倉の句では、新田義貞とサラダってなんかあったかなとか。

ああ、わたしはすでに小池さんの術中にはまってると思う。
はまりながらもけっこう気持ちよくなったりもするのは、向学心をほどよく刺激されるからかもしれない。
「よおし、いつかきちんと読み解いてやっからな、首洗ってまってろよ」みたいな。
わー。すみません、すみません、すみません。←だれにともなく


by nakahara-r | 2016-02-04 21:38 | 川柳


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