朗読もフリマもコインランドリー

最初に。
小池正博さんのブログ「週刊川柳時評」で、なかはらの活動について言及していただきました。
ありがとうございました。

小池さんといえば、深く記憶に残っていることがあります。
2004年の暮れに、大阪でイソカツミさんの歌集『カツミズリズム』の批評会がありました。
なぜかわたしもその批評会で朗読をする人のひとりになっていて、朗読といえば槐さん、の、田中槐さんはじめ、穂村弘、正岡豊というすんげえメンツに交じってびびりまくっておりました。
始まってすぐに会場で小池さんを見つけて、たいそうびっくりするとともに緊張がとけたのを覚えています。
外国で日本人を見つけたときみたいな。って、そんな体験ありませんけどね。
訊けば写真家の入交さきちゃん(短歌関連の写真とってました)と親しいということで、二度びっくりしたことでした。
当時、槐さんに誘われてあちこちで朗読していたんですが、そういった場であまり川柳人を見かけたことがなかったので、意外でもあり、うれしくもあったなあと遠い目をしつつ思うことしきり。
うう。いかん、いかん。前見よう!

その小池さんが去年に続いてイベントを催されます。
今年は5月22日(日)開催。
ヒストリアのゲストは歌人の山田消児さんの予定。



ねじまき新年会が無事に終わりました。
出席者11名。
お料理もおしゃべりもじゅうぶん堪能いたしました。

なんか今日は自分でも驚くほどにテンションが高くて、
ちょっとはしゃぎすぎました。
初詣でひいたおみくじが、やたらと、
それはもうこれ以上ないほど良いことばっか、というか良いことしか書いてなくて、逆におそろしいです。
「動け」ということですかね。

ねじまき来年一年間の題はウカンムリです。
(来年? 今年じゃろ!←追記しました。ご指摘いただき感謝)


では、気になっていた柳誌の気になった句のご紹介を。
「水脈」12月号より

一押し句です。
鬼怒川を他人の空を目に流し  佐々木久枝

「目に流し」は視界をよぎるということかと思いました。
ネコの瞳に鳥が映ったり雲が映ったりすることがあって、動くものは瞳のなかを流れていくんですよね。
で、この句、電車とか車とか、なにか乗り物に乗って移動中なんじゃないかと。
だから鬼怒川はわかります。手ごわいのは、ただの空ではなくて「他人の空」というところ。
それは自分のテリトリーではないということかもしれません。
「鬼怒川と他人の空を」ではなくて、「を」の重複に時間の流れを感じます。
ちょっと~振り向いて~みただけの異邦人~♪ なあんてね。
あ、他人の空似というのもすこし思いましたです、はい。

あと、こんな句も楽しかったです。
肉と葱ははんと豆腐駆けてくる  岩渕比呂子
すきやきですかね、具材からして。「ははん」で笑いました。
しかも駆けてくるんですね、豆腐が。
ははん、ははん言いながら。かわいすぎる。

いまどきの妻はぽちゃんと湯に落とす  一戸涼子
「妻は」の「は」が問題です。
だれかが妻「を」湯に落とすのか、なにかを妻「が」湯に落とすのか、なぞ。
わたしは両方楽しみました。
「いまどきの妻」の言動にちょっとキレかけた誰かが湯に落とす。
ダチョウ倶楽部の、「押すなよ、押すなよ」みたいなの連想しました。
もう一方は、熱湯になにか投入するとき、上からぽちゃんってやると飛沫でやけどしますよね。
そんなことお構いなしなのが「いまどきの妻」なんですねえ。

もう一誌。
「川柳びわこ」1月号より

一押し句。
ひとりなら笑えるコインランドリー  北村幸子

「笑える」と言っているのに、泣くよりも深い諦念のようなものをかんじる句です。
ひとりじゃないときは笑えないんですから。
ひとりになれるところはコインランドリーしかないんですから。
この「コインランドリー」の臨場感。
映像がばーっと目の前に広がって、温度や匂いや音まで追体験できてしまいます。
だれもいないところで泣くひとはいっぱいいるし、そういう句はいやというほど目にしてきました。
「笑う」ということがタブーとしてある、そんな時と場所があるのです。

こちらもおもしろかった作品たち。

ぐらぐらをさわり続けるおとこの子  高橋かづき
男の子ってそういう生き物なんです。で、最終的に倒しちゃうんですよね、ぐらぐらを。
と、息子ふたりを間近で観察してきたものとして断言できます、はい。
ったく。

ところどころにアルファベットを植えている  街中 悠
ああ、そうか。あれは植えられているのか。アスファルトの上にあるPとか、看板のMとかFCとか。
お日様があたればせいちょうするんかな?

眠くなる買い物リストから漏れて  峯裕見子
今回は出番なしですからねと言われてるようで、そりゃ眠くなりますよね。
マヨネーズもお味噌も。
きんちょーから解き放たれた開放感とうらはらに、ちょっとだけ自尊心が傷ついた感が「漏れて」ににじみ出てます。
「漏れる」とはこぼれおちることだから。


by nakahara-r | 2016-01-17 23:35 | 川柳


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