やさしい川柳

※スキンころころ変えてすみません。
春だからです、が、もうこれで落ち着きますね。

朝日カルチャーの「やさしい川柳」講座2回目。
欠席4名、参加者11名、見学者1名。
宿題の「桜」15句(欠席投句3句)の中から各自いちばん好きな句を選んでもらう。
一句ずつみんなで意見を交わしあう。というとすごくハードルが高そうにきこえるけれど、
実際はうなづいたり、照れたり、困ったりしつつ、笑いの絶えない時間を過ごしました。
質問もばんばん出て、活発な講座になりそうで楽しみです。

なかはらの提出句
いつか会うひとの肩にも桜ちる
 
いままで遠慮してた(だれに?)自句自解も、この場ではやったほうがいいと思うので、します。
初めて川柳をつくった方々が、この2週間、桜のことばっかり考えて退屈しなかったと言ってくださったのが印象的。
「退屈しなかった」うれしいことばです。川柳にかかわると退屈なんてしてるヒマないんですよ、はい。


では、手元の川柳誌から作品紹介。ぼちぼちいきますね。

「水脈」4月号より

空き箱も昔話はもっている  岩渕比呂子
うんうん、空き瓶も空き家も入れ物としての役目を終えたとたんに「空き」という冠をつけられる。
クッキーや白菜や牛乳や人を体内にいっぱい詰めていたころの記憶は、入れ物たちにとって幸せな記憶なのではないかとちょっと思ったり。「もっている」のひらがな表記はあまり意味がないような気もするけど、どうでしょう。

映画館のドアをあけると鳥になる 平井詔子
ブルース・リーになったり健さんになったりして映画館を出てくるひと、いましたねえ。
とはいえ、この句、ヒッチコックでないことはたしか。
飛べそうな気持になるような、そんな映画だったのだろうなと推測します。

スパゲティの端から端までローマなり 大橋百合子
そうです。すべての道はローマへ続くんです。道じゃなくてスパゲティだけど。しかも端から端までで終わっちゃうんだけど。「ローマなり」という大言壮語風なところがおもしろかったです。

天気しだいで伊達巻にもなれる 一戸涼子
一月の体重計のあんぽんたん 一戸涼子
伊達巻! 意表をついてきますねえ。しかも天気しだいって。伊達巻になれるのは、晴れか雨か曇りか雪か、はたまた嵐か。もし晴れの日が伊達巻ならば雨だとかっぱ巻きなんだろうかとか、考えなくていいことまで考えてしまう、深追いしたくなる句ですね。

ゆるキャラになってあなたにつきまとう 浪越靖政
分解をしてから考える あした 浪越靖政
「ゆるキャラ」と「つきまとう」のギャップがめっちゃ、こわいんですけど。ストーカーですよね。しかも「つきまとう」ってぬけぬけと犯行予告してるし。このこわさはすごく今っぽい。



「びわこ」4月号より

今月の表紙は尾﨑なおさんの10句。

元気かと明朝体で聞きに来る 
つぶやいて少しわたしを膨らます
現実と戦っている洗濯機

いいですねえ。すきです。
とくに「つぶやいて」の句。
「膨らます」のキュートさにやられました。
「びわこ」はすてきな作家さんが多くて目が離せません。

以下、それぞれにコメントつけたくなるような、魅力的な句ばかりです。
読んだひとがなにかひとこと言いたくなる句を目指そうと、しみじみと思います。

時間切れですよとクモは巣を張った 山本知佳子
受け皿に溜まる見たことないいとこ 久保田 紺
Aが来ていくらかましになる話 小林勝一
緑色のえんぴつ旅に出ましょうか 高橋かづき
助けてとみんなボタンを押している 川﨑 章
静物になるまで点滅する背中 月波与生
羊羹の真ん中へんは避けている 重森恒雄
そのままでいいんじゃないかなあと水 峯裕見子
たずねるとポキンと折れるのも春か 徳永 政二
向こうからだんだん空になってくる 小梶忠雄


by nakahara-r | 2015-04-16 19:23 | 川柳


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