リラの脈は水でできている

ベランダのライラックが咲きました。
青森で出会ったライラックが忘れがたくて、その年に苗を買ったのでした。
寒い地方の花なので、ここでちゃんと育つか心配だったんだけど、
しょぼいながらもけなげに育ってくれてます。
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近づくといいにおいがする。とりわけ、早朝は。
和名、紫丁香花(むらさきはしどい)
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北海道ではライラック祭りがあるんだよね。
で、北海道つながりです。

「水脈」36号から

否応なしである菜の花に染まる  佐々木久枝
菜の花って色といい、匂いといい、ほんとに否応なしですよね。
団体(?)であればなおさら。
同じ群生でもひまわりやコスモスだと「染まる」っていうかんじはしないのに、ふしぎ。
ああ、桜は染まるかもなーと一瞬思ったけど、桜の場合は「否応なし」じゃなくて、無意識のうちに染められる感がある。
いやここまでくるとほとんど主観ですが(笑)
ともあれ「なしである」の「である」にひとめぼれしたのは事実。

セーターの首をひっぱる月曜日  岩渕比呂子
これはタートルネックですね(断定)
息苦しいようなかんじと、「月曜日」がぴったり。
仕事してる(カレンダーどおりの勤務日程の)ひとの作品じゃないかなーと思いました。
ちなみに、わたし、最近首の詰まった服が着られなくなりました。
めっちゃくるしくて、おぇーってなるのです。単に首が太くなったせいなんでしょうか(泣)

みかんの種いとおしさのかたち  田村あすか
下句の「いとおしさのかたち」というひらがながやさしくて、いとおしがってる感がよく伝わってきます。
では、何に対して? 
答え:みかんの種のかたち
えーっ!? ですよね、ふつう。
さいきん種のあるみかんってなかなかなくて、たまたま作者は種をいっこみつけたのではないでしょうか。
あの、チョー小粒な涙みたいなかたちの種。
みかんがみかんとして存続するための、種。
ここでは、この世に生存するいきものとして、ひととみかんが等価に扱われています。

くすぐってくれる昨日の頓珍漢  一戸涼子
頓珍漢に人格を与えてしまいましたね。
その頓珍漢は昨日の自分か、もしくはだれか近しい人の行動だったりするわけで。
くすぐって「くれる」のだから、ありがたいものなわけです。
日ごろ、否定的な評価をうけている頓珍漢にとって、この肯定的評価はうれしいのではないでしょうか。

さくら色になるまで声をかけつづけ  酒井麗泉
応援の句ですね。
たとえば、だれかがどんよりしているとき、声をかけてあげるような。
「さくら色」の対極は土気色でしょうか。「さくら色」は生気を表すことばであるわけで。
声をかけている対象が何なのか、書かれていない主語が気になります。

ごはんだよ静止画像が動き出す  浪越靖政
「神さまに聞こえる声で ごはんだよ ごはんだよ/山本祐」のオマージュでしょうか。
動き出す静止画像のイメージが鮮やかで、うまいなあと思います。
家族とはひとことも書かれていないのに「ごはんだよ」だけで、父、母、子供までは想像できてしまうわけで。
しかも、家族それぞれがそれぞれの役割を演じている、みたいな舞台裏まで想像させてしまう。
二度も(しまう)と言いましたが(笑)
作者にやられてしまうわけですね。

あと、読み物として浪越さんが、「渡辺隆夫『川柳・六福神』を読む」を書かれています。
「隆夫川柳にはタブーがない」と書かれていて、なるほどと思いつつ、では川柳におけるタブーとはなんぞや。と考えさせられました。ともあれ、男性目線の鑑賞は楽しかったです。
渡辺隆夫さんの川柳を女性がどう読むのか、まったく逆の切口からの鑑賞もぜひ読んでみたいものだと思いました。
わたしはけっこうオヤジなので、逆の切口にはなれそうになく。
できれば八千草薫さんのような女性の鑑賞文、希望。
む、むりか。





続いてきょうのまりん。

ねむー。
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だ。・か・ら、 ねむ。
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もう、かまうにゃ~。
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本体が相手になってくれないので、肉球にあそんでもらう。
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by nakahara-r | 2014-04-19 21:23 | 川柳


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