おかじょうきとか、戦場のアリス@負け戦とか

このところ(わたしにしては)頻繁に更新するのは、締切りが迫ってるからです。
助走というか、ストレッチというか。

繁忙期過ぎたのに仕事はあいかわらず忙しく、お休みがとれません。
ってゆか、一日9時間以上働いてる……。
もうね、10連続勤務だろうが12連続勤務だろうがやっちゃるわ。
という会話が聞こえてくる今日の職場でありました。
えんえんと忙しいため、逆にランナーズハイみたいになっちゃってるんですね。
だいじょうぶか、この職場。

というわけで、
「おかじょうき」4月号より

鳥になったり独楽になったりしているの 片倉卯月 
楽しそうですね。
うれしくて飛んだり回ったりしてる、を川柳語で言うとこうなるという句。
具体物のイメージ喚起力はすごいですね。
加えて鳥と独楽には動きが付く。
静止画像ではなく、動画なわけで。
この作品の場合、結句の「しているの」はうれしさをよく表現しているので問題はないのですが、
「いるの」という語尾はぶりっ子であることを意識して、というか逆手にとって使わないと嫌味になります。
気をつけましょう、自分(笑)

こうげき力が3あがった 東京のゴミ箱 Sin
これは、アレだ。ドラクエ。
連作の中では上句と下句がうまく呼応していると思いました。
画面に現れるひらがな率の高い文のバーチャルなかんじと、
東京のゴミ箱という、一見、超現実にみえながら実態のないモノ。
お互いにうまく作用しあっていると思います。
テロ対策で消えた東京のゴミ箱に思いをはせること、しばし。

塩昆布みたいな顔で立たされる 土田雅子
それはいったいどんな顔なんだ、と言いつつ、
なんとなく想像できてしまう、しかも苦笑いを誘ってしまうところがいいですね。
しょっぱかったんでしょうね、気分的に。
まあでも酢昆布でないだけよしとしなければ(なのか?)

ビバルディ聴いてる方が馬の骨 奈良一艘
四季ですかね。
曲はなんでもいいんだけど、要するにクラシックを聴いてるような人が馬の骨だと。
箴言ですね。
うまいと思ったのはビバルディの選択。
これがベートーベンやモーツァルトであれば俗っぽくなるし、逆にエリックサティなんかだと通ぶってるっぽくて嫌味になる。
いい塩梅ですね、ビバルディ。

考えるカンムリワシのいる島で ひとり静
もうこれはカンムリワシにつきます。
カンムリワシの一人勝ちってかんじ。
とはいえ、たとえば「カンムリワシのいる島で」が先にあったとしましょう。
作句する立場から言えば、最初に「考える」があったとは考えにくいので、そうじゃないかと思います。
そこで、上5をどうするか、です。
劇的になったり、詩的になったりしたら、せっかくのカンムリワシが死にます。
「考える」はすごくいい。

待ち受ける途中で椅子になっている 藤田めぐみ
一枚の写真の一部が徐々に変わってゆくのに、ひとはなかなか気づかない。
アハ体験という、脳学者の茂木さんがやってたテレビ番組を思い出しました。
さすがに写真家の藤田さんの作品だと思いました。
待って待って待つうちに徐々に椅子と一体化するからだ。
シュールだけど、そんな体験、たぶん誰にも一度はあると思うのです。

死んではいないか万能ネギ散らす 守田啓子
前の藤田さんの句と同じく、月例句会から。
守田さん絶好調ですね。いけいけどんどん。
しかし、不思議な句です。
「死んではいないか」は自分への問いかけでしょうか。
別に万能ネギじゃなくてもよかったんだけどね、たまたまね、
みたいに言われそうな万能ネギの存在感がたまりません。
万能って思えばすごいネーミングじゃないの、ってことに気づかせてくれたり。
「死」と「万能」。表裏一体みたいな。




なぞの批評家、御前田あなたさんが『脱衣場のアリス』の感想脱衣場で、逢いましょうを書いてくださいました。

文中に「負け戦のなかでうたう」というフレーズがあって、ここ、めちゃくちゃかっこよくて大好きです。
だって額田王みたいでしょ(ぜんっぜん違っ!)

御前田あなたさんのブログには短歌、俳句、川柳、小説はおろか、マンガ、映画、ドラマまで多岐にわたる感想文があって、いつも刺激をいただいている。
高野文子とか。
おすすめ。
by nakahara-r | 2014-04-16 00:09 | 川柳


<< リラの脈は水でできている 夢の誕生日 >>